代理ミュンヒハウゼン症候群にみる、歪んだ愛のカタチ
ミュンヒハウゼン症候群
ミュンヒハウゼン症候群というのを知っていますか?
自ら自分を傷つけたり、病気になるようなことをしておきながら、
病院を渡り歩いて、自分の体調がおかしいと訴える人たちのことです。
家族や友人に、自分は病気なんだと訴えるよりも
病院で医師や看護師に、処置してもらえるのが嬉しいらしいです。
だから自分から探していろいろな病院に通うそうです。
これに近い方も周りに結構います。
例えば、10年前に脳梗塞で体調を壊した、ある女性は
そのことで、ずっと、自分は大丈夫か心配されていて、
私に健康相談の連絡をよくしてきます。
今は体調は良いので、
その都度、私は励ましていましたが、
何を言っても後ろ向きで
すぐいろいろな病院に行かれます。
そして検査をして、何でもない、
「あなたは病気はありませんよ」と医師に太鼓判を押されると
嬉しく安心するどころか、
「いや、そんなことはない。私は何か病気なんだ」と
他の病院を探してまた行くのです。
この女性をみていると、
自分が病気でいることに安心感を求めているようなところがあります。
何か寂しいというか、何か足らないのです。
ミュンヒハウゼン症候群は、周囲の関心や同情をかったり、懸命に病気と闘っている姿をアピールし
精神的満足感を得るために病気や重病であることを装ったりします。
自傷行為や尿検査などの検体をすり替えたり、偽造工作などを繰り返し行う精神疾患とも言われています。
代理ミュンヒハウゼン症候群
上記は自分自身のことですが、
「代理ミュンヒハウゼン症候群」というのもあります。
これは主に母親が対象となりやすく、加害者が
子供の病気や怪我を作り出すという、怖い症状です。
代理ミュンヒハウゼン症候群というのは、子供に病気をつくり、
かいがいしくお世話をすることで、
母親など加害者が自らの心の安定を作り出すものです。
いわゆる「児童虐待」でありますが、児童虐待の特殊型と言えます。
いろいろなパターンがあるかと思いますが、医師が、その子供に
様々な検査や治療が必要と誤診させるような、虚偽の情報を
捏造します。
そのために、必要のない検査や薬が出たり、
加害者である、例えば母親が、医師に満足な治療をしてもらえなければ
子供を死に至らしめるケースも発生してしまいます。
代理ミュンヒハウゼン症候群も、ミュンヒハウゼン症候群のように
自分の安心する場所を求めているようです。
母親など加害者たちも、何か、渇いているというか、
不足に目を向けて自立できないでいるのです。
認められたい
ミュンヒハウゼン症候群も、代理ミュンヒハウゼン症候群も、
人に関心をもってもらいたくて、自分の居場所を探しているのですね。
また別の女性ですが、この方は、お母さんの認知症で
かいがいしくお世話しています。
でも大変です。
周りがいくら言っても、デイケアにも中々行かせないし
施設なんて、眼中にないです。
彼女は働き者ですが、やはり誰かをお世話するのは大変。
そのことで、周りにも迷惑はかかっています。
自分も体調を壊します。
彼女は働いているのです。
だから日中は、お母さんは独りぼっち。
お母さんだって、施設やデイケアは嫌かもしれませんが
一人ぼっちで、家にいるのは心配です。
普通に考えたら施設に入れるべきです。
でも頑固に入れないのです。
愛がほしい
そのことを、彼女の周りの人は冷静にみています。
彼女がそこまでお母さんに固執するのは
代理ミュンヒハウゼン症候群ではないかと言うのです。
私も同感です。
彼女には最愛の息子が一人いて、今までは子育てが命でした。
でも息子は成人し、恋人もできます。
結婚も近いです。
そうすると、自分の手から離れます。
でもたまたまその息子は祖母が大好きで、
祖母のために何かしてあげたくなります。
それで彼女は、息子からも、もっと認められたくて、
もっと母のお世話をするのです。
最近、こういう方が多いです。
誰かから関心がほしい。
愛がほしい。
彼女は優しい感じですし、周りからけして嫌われていたりしません。
彼女はけして一人ぼっちではありません。
だから、愛はちゃんと、自分の周りにあるのに。
でもそれを見つけられないのです。
だから渇く。
何かベタベタした愛がほしいのです。
それは過去に傷ついたものがあるのでしょう。
彼女には癒しのヒーリングが必要だと感じます。
でもこれも彼女が受け容れなければだめですが。
また栄養不足などからそのように心までに影響することもあります。
心、体、魂の面からのアプローチが必要だと思います。
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